たとえば、ウィークエンドのテーブルに花が一輪あるだけで、
会話がはずんだり、笑顔が増えたり、心がほっとしたり。
季節の花々が、いつか家族の大切な思い出になるかもしれませ
ん。
ウィークエンドに家に飾る花を選ぶ、
それは何だか心浮き立つ“日常の素敵”。
旬の食材を楽しむように、旬の花を楽しむことも素敵。
「WEEKEND FLOWER」で”丁寧な暮らし“がはじまります。
先月の花を見逃した人はこちらをご覧下さい
さて、今月ですが
8月のWEEKEND FLOWER
Asian Mood, Tropical Pink
真夏の
アジアンピンク
01 モカラ
モカラは、バンダ属、アラクニス属、アスコケントラム属の3種のランを交配して育種されたいわば、東南アジアのランの良いところを集めた人工交配種です。
アジアンオーキッドビューティーの集大成ともいうべきでしょうか。
この花の大きな魅力は、夏が似合うカラフルでビビッドな色彩と異国情緒たっぷりなユニークな花型。
そして高温下でも抜群に花持ちが良いところです。
市場に出回る品種のほとんどは、タイやマレーシアからの輸入品で周年流通しています。
暑ければ暑い夏程、人気が高まる花で盛夏には出荷の最盛期を迎えます。
最近では、モカラの親でもあるバンダやアラニクス、アスコケントラムの流通も増えてきていて、
中には他の花には見られない不思議な色彩や良い香りを放つ品種も出回りバリーエーションも年々多彩になっています。
花選びのポイント
花選びのポイントは、とにかく花が瑞々しいものを選びましょう。
また、10℃以下で管理しますと凍傷をおこしますので、低温管理の場合は注意が必要です。
お花屋さん必見! 花ケアのポイント
ランの中でもバンダ属が最もエチレンの影響を受けやすいので、モカラはバンダの交配品種でもありますからエチレンの影響を意識して下さい。
産地ではSTSによる前処理(茎から飲ませる方法)ではなく1MCP(1-メチルシクロプロペン)処理が主です。
これは外からの処理の方が効果が高いからです。
水上りは良い花ですが、通常の水よりもぬるま湯を使用し、抗菌剤を使用すると水下がりしにくくなります。
ミラクルミスト、フィニッシングタッチ、フラワーベール等のミスト商品を吹きかけると日持ちが伸びます。
02 クルクマ
ウコンでお馴染みのショウガ科の熱帯原産のお花なのですが、実はアジサイと一緒で花が終わったガクの色彩を楽しむお花です。
クルクマは大輪のシャロームタイプと小輪で花(萼)が肉厚なミニタイプとがあり、近年ではミニタイプの品種改良が盛んで、毎年様々な新品種がデビューしています。
実はこのミニタイプはタイで育成されているのですが、育種をしているのは、日本人、齊藤正二さんがされています。
齊藤さんは、日本のマーケットの好みに合ったピンクやグリーン、バイカラーの沢山の品種を届けてくれる有り難いお方なんですよ。
ミニタイプの良いところは、日持ちが長いだけでなく、なんと水の中に入れて飾っても、花が腐りません。
ですので、水の中に飾るなんて芸当もできちゃうのが、この花の素晴らしいところです。
花選びのポイント
花選びのポイントは、シミの出ていない鮮度の良い花を選びましょう。
シャロームタイプは、花が老けてくると変色してきますので、花色が綺麗なものを選びましょう。
お花屋さん必見! 花ケアのポイント
水揚げ時に、ミラクルミスト、フィニッシングタッチ、フラワーベールなどを使用すると花持ちがとてもよくなります。
糖を与えても日持ちはそれほど伸びないうえ、バクテリアの影響も受けにくいので、通常は水道水で構いません。
花をすべて水の中に入れて楽しむ場合は、フローラライフ社のPRGやクリザール社のCVBNなどの抗菌剤を使用すると腐れ難く長く楽しめます。
03 アスター
キク科でカリステフス属(美しい王冠の意味)の植物で、中国東部を原産とし、欧米日本で品種改良され、現在では種類も豊富に夏に出荷の最盛期を迎えます。
現在流通する主な品種群は、可憐な小輪タイプで周年流通するアレンジメントアスターと夏場に最盛期を迎える中輪八重タイプのエゾアスター、そして最近流通量が増えている、大輪菊やダリアの風合いを持った大輪種(マッシュ、シャギー)などの3つがあります。
これまでは、エゾアスター中心に仏花用途での利用が多かったのですが、新たな品種群の登場により、用途の幅も広がり様々なシーンで大活躍する花になりました。
特に、マッシュやシャギーに見られる独特のアッシュカラーは他に類を見ない雰囲気があり、この花の新境地を作り上げています。
花選びのポイント
アスターは夏場でも花持ちが良く、花より先に葉が黄化してくることから、花選びの時は、葉の美しいものを選ぶようにし、なるべく下葉を落として飾ることをおすすめいたします。
お花屋さん必見! 花ケアのポイント
呼吸熱が高い花です。
仕入れから帰ってきたらいち早く箱から出して通気性を良くしてください。
温度が高いままですと、葉の黄化が早まりますし、カビの原因にもなります。
水揚げ時には極力、葉は取り除きましょう。
面倒でもその作業が花の寿命を延ばせます。
花はエチレンの影響を受けませんが、葉はエチレンにより黄化します。
夏場は水が汚れやすいので、切花栄養剤か抗菌剤の使用が有効です。
04 アンスリウム
サトイモ科の植物で、熱帯アメリカ、西インド諸島などに原生し700種以上があるバラエティー富んだ熱帯の代表花です。
花のように色づいて見える部分は、花を保護する仏炎苞と、その中心部の棒状の部分が、小さな花が集まった肉穂花序(俗にノーズ、鼻と呼ばれています)で構成されており、独自の花姿と質感が印象的な花です。
アンスリュームの育種は1950年代頃からハワイで始まり、その後様々な品種が生み出された後に、現在ではオランダで育種されていて、それらの品種は主に台湾、モーリシャス、中国などで盛んに栽培され輸出されています。
国内産も生産量が少ないものの、高品質なものが生産流通しています。
最近の傾向としては、比較的小振りでアレンジにも入れやすい可愛いらしいコンパクトなサイズのものや、複色や苞とノーズのコントラストが美しいもの、ダークブラウンなどのシックな色目が人気。
熱帯の花ですから、10℃以下で管理しますと凍傷をおこしますので、低温管理の場合は注意が必要です。
花選びのポイント
花選びのポイントは、花傷の無いものを選んでください。
お花屋さん必見! 花ケアのポイント
10度以下にすると低温障害が起きますので、冷蔵庫に入れる場合は注意が必要です。
これは、クルクマ、モカラも同じです。
また、ミラクルミスト、フィニッシングタッチ、フラワーベール等のミスト商品の効果も同じく高いです。
額は非常にデリケートで傷が付きやすいので、扱いは丁寧にしましょう。
花持ちに関する情報提供協力/
クリザール・ジャパン株式会社、パレス化学株式会社、Floralife
取材協力/薄木健友(フルーロン花佳)、宍戸 純(株式会社大田花き)、藤井 大(株式会社京橋花)、
小川典子(一般社団法人花の国日本協議会)
こちらから
今月のWEEKEND FLOWER
お客様向け店頭ツール「フラワーレシピ」がダウンロードできます。
プリントアウトして、配るも良し、POPにも使えます!
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ダウンロードツールが増えました!!
A4サイズ 1/4 → ダウンロード(PDF)
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「WEEKEND FLOWER」という
“コトの提案”を言葉から新たな文化の創造へ
「WEEKEND FLOWER」は、
“WEEKEND(ウィークエンド)”という言葉が持つ、
ワクワク感、家族や自分へのご褒美感を大切にしながら、
花と過ごす心豊かな週末のひとときが「きっかけ」となり、
ご自宅に花を飾る習慣が日本にも根付いてほしい、
四季のうつろいと共に暮らす文化を再び甦らせたい、
と考えています。
季節の花を飾る“日常の素敵”=WEEKEND FLOWER
を花店から発信し、
年間52週の商品や売り方の提案に変化を持たせてみませんか?
WEEKEND FLOWER公式HP