すてきな花の産地から。プランツ・ギャザリング編 #05

2018/06/23

フラワーニュースクリップ

植物が喜ぶ庭から

 

どこから見ても美しい

 

いつもすてきな花の産地から

お届けしているこの連載。

今回はすてきな花の施工現場から、ということで

美しい庭をお届けします!

 

場所は大阪府豊中市緑丘。

大きな家が並ぶ

静かな高級住宅地のとある庭です。

 

ドキドキしながらお邪魔すると……

外壁の向こうからは想像できない

開放感と緑たち!

圧倒的な美しさにびっくりです。

 

迎えてくださったのは

「Garden Keeper(庭守人)」の小林左知子さん。

この庭の造り手であり

定期的に管理・手入れも行っています。

 

日差しが降り注ぐところも、

木漏れ日が落ちるところも、

どこから見ても、どこを見ても美しくて。

遠くからと、近づいて見るのでは

表情が違うので飽きることがありません。

 

庭は植物を放射状に配置し

植えていくことで広さを、

手前から順に草丈を高くしていくことで

立体感を出すようにしているそうです。

庭は、オーダーをくださるお客さまが住まれるところ。

少しでも広く見えるよう

いかにスペースを生かすかをいつも考え

心地よく過ごしてもらえるように心掛けています。

 

そして大切なのは、お客さまのご要望。

 

「お客さまと二人三脚でさせていただいてこそ。

信頼してすべてをお任せくださるお客さまのおかげ」。

と小林さんはおっしゃいます。

 

この庭は奥さまの

「大人モダン」というご希望をもとに、

お好きな色である

白、青、紫を主としたデザインに。

初夏を感じるクレマチスも

奥さまのお好きな淡い紫で。

壁を傷つけないように誘引と剪定には注意を払っています。

こうした見映えだけでない心遣いも

小林さんは大事にしています。

 

この写真の右奥に見えるのは

なんと盆栽風のギャザリング作品!

器は陶芸家さんに作ってもらった特注で

鉢と下の土台がセパレートになっている

こだわりの品です。

 

そのほかにも

いたるところでギャザリングの作品が

配されていました。

玄関前、フジヅルの籠にギャザリング。

このフジヅルの籠は小林さんが編んだものとか!

針金などを使っていないので

そのまま土に埋めて自然に帰すこともできます。

 

こちらの作品は、青々とした緑が主役。

 

小林さんとギャザリングの出会いは約5年前、

少しスランプを感じていたときに

存在を知り衝撃を受けました。

 

はじめは本当にこれで育つのかとも

思っていたそうですが、

今まで信じていたことを一度潰してみよう!

という思いで続けていくうちに

「植物ってすごい!」と改めて思い、

自分なりのギャザリングに辿り着いたそうです。

 

ちなみに上記の作品がある

アプローチの壁に伝うのはサルナシ。

これがまたカッコイイ!

植物でラインを作ってあげることで

壁面にも絵が描ける、とは小林さんの言。

 

このサルナシは

壁面に向かう側のツルを

まめに剪定したりと

手をかけることで美しいフォルムを保っています。

ただ生やすだけでなく、

その後のお手入れが大事なんですね。勉強になります!

 

 

 

植物という命を大切に

 

「Garden Keeper(庭守人)」の小林さんは

大手の生花装飾部や園芸店などを経て、

1998年より現在の屋号で

阪神間を中心に店舗や家庭の庭造り、とくに

植物のケアや維持管理を中心に行うようになりました。

 

 

植物を見つめる小林さん。

その視線はとても優しげです。

 

子どものころから

エンドウ豆の根が出たのを

濡れたコットンの上にのせて育てたり、

イチゴについている種を採って育てたりするほど

植物が大好き。

 

その好きな想いそのままに

いまの仕事に就くようになりました。

 

今回お伺いしたこの庭は、

小林さんが独立した20年前、

はじめてのお客さまとなられた方の庭。

それを物語るように

庭のあちらこちらに年代物の植物たちがいました。

 

こちらのワイルドオーツは20年もの!

ワサワサと旺盛な様子から

長年大事に育てられてきたことを感じます。

 

ピンク色がかわいらしい

斑入りの野ブドウは10年選手。

 

「どの子も小さな命ということを大事にしています」

 

その小林さんの言葉を表すように

どの植物も生き生きしています。

 

手がける庭は月1度巡回し

6月、11月に植え替えを行っています。

植えるのは8〜9割が宿根草ですが、

冬場枯れてしまっても

小林さんはその宿根草を捨てません。

 

鉢に移し替えて

風が通るバックヤードに連れていき

次のシーズンまで育てます。

 

虫に食われたり元気がなくなってしまった植物も

諦めずにバックヤードで快復を待ち

再び庭へと戻しています。

 

そうして大事に、大事に

命を育んでいるから

前述のように10年、20年も

植物たちは元気な姿を見せてくれているんですね。

 

近年は庭の仕事だけでなく

高齢者施設や地方自治体などで

「植物の生命力や治癒のエネルギー」の尊さを伝える

メッセンジャーとしても活動中。

 

 

「私が植物を育ててきたというよりは

植物に私が育ててもらいました」

 

小林さんの手がける庭と言葉には

植物愛があふれていて、

だからこそこの庭はこんなにも心地よくて

美しいのかなと感激ばかりでした。

 

 

小林さん、庭を見せてくださったお客さま、

本当にありがとうございました!

 

 

 

☆今回お訪ねしたのは☆

Garden Keeper(庭守人)

大阪市池田市を拠点に活動

 

 

写真/タケダトオル

 

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