すてきな花の産地から。プランツ・ギャザリング編 #08

2019/02/18

フラワーニュースクリップ

シクラメンへの情熱と、新たな試み

 

シクラメンの海

美しく咲き誇るシクラメン。

濃いピンクと白、白の花色の縁に淡い桃色、燃えるような赤—−

その色合いの鮮やかさに目もくらむような

一面の花畑。

ここは、埼玉県上尾市にある「田中花園」のハウスです。

ときは2018年12月末。

寒空のもと、暖かなハウスで守られるように育つシクラメンは

どの子も生き生き、きらきら。

シクラメンって赤! ピンク!

と、パッキリ1色というイメージだったのですが

田中花園には2色咲きのシクラメンがたくさん。

それもそのはず‘プルマージュ’という2色咲きシクラメンの特許を

こちらの田中花園さんがすべて持たれているのだそう!

シクラメンって、下を向いて咲く姿が

控えめで愛おしいと思います。

ここではオリジナル品種が20ほどある

と教えてくれたのは、

次世代を担う田中花園・専務の田中俊助さんです。

愛おしそうにシクラメンを見つめる様子が印象的。

 

田中さんは25歳(あまりにお若いのでビックリ!)。

東京農大で遺伝子工学を学び

「若い人に売れるものを作りたい!」との想いで

家業に踏み入れました。

 

冒頭に書いたように

バラエティ豊富な色合いのシクラメンがあるのも

絶えずさまざまなチャレンジをした結果。

色合いだけでなく、マンションでも育てられるように

株を小さく、耐暑性を高めるといった工夫にも取り組んでいます。

多様な暮らしに寄り添える花を。

ただ見映えだけでなく、

花も人も心地よくいられるよう考えるという姿勢からは

本物の植物愛を感じます。

田中さんのお話を伺っているハウスでは

田中さんのおじいさまが黙々と蕾をかいていて

その姿が、とても素敵でした。

ここ田中花園のシクラメンは質がよいと評判で

県外からもファンが買い求めにやってきます。

取材時もお客さまが熱心に品定めしていました。

 

購入後の栽培管理をわかりやすく書いたペーパーと

肥料もいっしょに渡してくれるので

消費者としては心強い!

こういった心配りがあるとないとでは

買う側の気持ちが全然違います。

こんなところからも愛が感じられてうれしくなります。

 

カラーリーフだって!

ハウスを案内していただいていると

気になるシルバーシートを発見。

田中さんに聞いてみると、開けてくださいました。

なんと中には!

ズラリならんだカラーリーフ!!!

こんなにカラーリーフが並んでいるのは

始めて見ました。大興奮です!!!

こうやって育てられているんですね!!!

 

日の光を浴びてキラリと輝くリーフの見事さ……

宝石にだって負けていないきらめきに

目が釘付けでした。

これらはレックスベゴニア。

元々ジャングルで育つ植物だそうで

湿度100%でないと芽が出ないのだとか。

だからシルバーシートをかけて環境を作っていたんですね。

 

田中花園で育てられているのは

シクラメンやカラーリーフ以外にもまだまだあります。

小さな姿が愛らしいビオラは

‘しんしん’や‘かすみ’を育てています。

今年は暖かくて大きくなり過ぎてしまって

その調整がちょっと大変だったそう。

 

これまで直売などでは単色が人気でしたが

いまは色幅が多い方が、引き合いが強くなりました。

どの色合い、花形もかわいらしい!

 

ビオラは一鉢に苗を2本植えているので

日照りの取り合いにならないよう、

換気や抑制剤などで丈の長さを調整します。

 

ビオラの可憐さ、初々しさは

まさに春! といった空気を感じさせてくれるようで

清らかな気持ちになります。

こちらはシロタエギクのハウス。

 

ポイントは小さめサイズ!

これまでは大きくないと売れにくかったのですが

ギャザリング用には小さいサイズが人気です。

小さいといっても

一鉢に3本の苗が植えられていて

密度と質は高いのです。

 

この子は宿根ネメシア。

あぁ、この小さな小さな花がかわいすぎて

守ってあげたくなるような……。

これからスクスク育っていき、花をたくさんつけます。

淡い紫と中央の黄色が愛おしいこのネメシアは

‘ピンクレモネード’という品種。

ネメシアは花がたくさん集まった「マスフラワー」なので

ギャザリングや寄せ植えの名枠役として

ニーズが高い花です。

3月に出荷最盛期を迎えます。

 

5月、6月にはアンゲロニアが続き

季節ごとに麗しい花々が育てられては

巣立って行く田中花園。

取材時にちょうど、機器の修理が行われていました。

もう何十年にもなる機器に手を入れながら

大事に、大事に使い続ける。

受け継ぐものを大切にしながらも

若き田中さんの意欲とチャレンジで飛躍する

これからに期待しかありません

 

そして、作品拝見

ハウス見学の最後に

田中花園で育てられた花々を取り入れた

ギャザリング作品を見せていただきました!

 

こちらは白の清らかな雰囲気が上品な作品

「ビオラとハボタンのマウントスタイルギャザリング」。

エレガントなフォルムの器との相性もばっちりです。

制作/家久来聖子さん

花材/ビオラ、ハボタン、アリッサム、アイビー、コニファー、コプロスマほか

 

紫と白のコントラストが美しいリース

「フリフリパンジーの可憐な舞い」。

制作/大塚芳子さん

花材/パンジー、ハボタン、アリッサム、イベリス、ワイヤープランツ、コプロスマ、コニファーほか

 

枝垂れるフォルムが美しいこちらの作品は

見る角度によって印象が違います。

こちらから見ると、ボルドーカラーが力強く高貴。

反対側から見ると一転、

ペールトーンのパープルカラーが優しげです。

花材/パンジー、ハボタン、アリッサム、ワイヤープランツ、コプロスマほか

 

ということで、

今回は埼玉県上尾市の「田中花園」さんから

お送りしました!

田中さん、ありがとうございました!!!

 

☆今回お訪ねした産地さん☆

田中花園

埼玉県上尾市西宮下4-399

TEL:048-771-1293

写真/岡本譲治

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