オランダ生まれのスタイリスト&デザイナーのユニット2 Dezign(トゥーデザイン)によるプロデュース クリスマスワールド2016

2016/04/03

フラワーニュースクリップ

クリスマスワールド2016

design by modern nature

 

 オランダ生まれのスタイリスト&デザイナーのユニット2 Dezign(トゥーデザイン)をご存知だろうか。月刊フローリストでも2010年から連載していた新進気鋭のユニットだ。彼らの花を用いた、プロモーションやスタイリング、アートディレクションから新たな流れが生まれている。

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 ユニークさと斬新さで、世界で人気の2Dezign(トゥーデザイン)。何をしている人?と聞かれても一言で表現することは難しい。二人のジャンルは多岐にわたり、あらゆる業界に精通している。通常は何社もが関わることによって完成するプロジェクトを2Dezign一社でできてしまう、ということなのだが、特に欧米の花業界には必要とされる会社となっている。

 2Dezignは、パスカル・クーレマンとルディ・タウンマンの二人からなるユニット。オランダ生まれのオランダ人。パスカルはフローリストとして、ルディはスタイリストとして、お互いを尊重しつつ仕事を進めて来たのがルーツだ。

 2Dezignの仕事を語るならば「A to Z」とでも言うべきか。物事の最初から最後までに関わることで完成する。展示会でのブースやショールームのデザイン制作、撮影、スタイリング、小売展開のコンセプト設定や店舗デザインを始め、商品開発、パッケージングと幅広い。それぞれを切り離しては考えられない、つまりすべてをつなげて考えることで完成度が高くなる。例えば、ある商品の撮影だけが良くできても、その商品のコンセプト、店舗での売り方、宣伝など、あらゆることが連携した上で成功した商品となる。それを最初から最後まで、プロジェクトとして請け負うのが2Dezignなのだ。

 商品を売り出すプロジェクトがあるとしよう。まず、クライアントの意向を聞き、商品の内容を見極める。クライアントがその商品をどうしたいのか、この時点でのコミュニケーションはとても重要で、二人のさまざまな経験がワイドレンジで引き出されることになる。イメージを膨らませ、プランニングをする。ゴーサインが出れば、撮影に入る。自前のスタジオを使うことも多い。色校正や紙の質にもこだわる。ここまでは、広告代理店ならば普通に行う業務だ。二人はこれから先が重要だと考える。そのため、商品の売り方、ディスプレイの仕方なども指導する。アフターサービスを充実させているのである。

 ある会社が、2Dezignに商品の販売プロジェクトを依頼した。撮影まで終わったところで打ち切りとなった。印刷は安く頼めるから他社に頼む、というのが理由だった。「色もひどいし、紙質も良くない。せっかく良い商品だったのに、自分たちで売れなくしてしまった。将来のことを考えたら、僕たちに頼んだほうがずっと安いのに、何度説明してもわかってくれない」とルディはこぼしていた。結果は、推して知るべし。

 2Dezignは、花業界にも新風を吹き込んでいる。ヨーロッパだけでなく、アメリカでの活動も盛んだ。オランダでは、ブリーダーと生産者の有志が出資し2Dezignが独自に請け負って、ユリ、トルコキキョウ、ガーベラのプロモーションを行っている。パスカルとルディは販促ツールの制作に大きく関わり、各地でのデモンストレーションにも忙しい。

 2Dezignの活躍は、日本でも知られているものも多い。「あっ、これ見たことある!」というものもあるはずだ。2012年に開催された10年に一度の花の祭典「フロリアード」の会場デザイナーにも抜擢され、活動したことも記憶に新しい。

クリスマスワールドで、2デザインプロデュースする空間デザインは、すでに6回目となり、毎年高い評価となり、2デザインの人気にもつながっている。

今年のテーマは、design by modern nature 。すべて小文字での表現になっているところがさりげなさを感じる。ホール9から10の間のギャレリア空間に、独特の魅力ある空間が現れる。今回は、特にガーデンセンターなどの量販店向けディスプレイも手掛けることとなり、昨年よりも広い空間をデザインすることとなった。

リテイルと消費者との距離をもっと縮めることをコンセプトに、フレッシュな素材を使うことでアイキャッチを作る、という提案。まず、地上階のディスプレイに目を奪われる。花別のデザインからは、クリスマスにももっと花を使ってほしい、という提案が伺える。店舗には、このままコピーしてほしいデザインだ。

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森をイメージしたスクリーンには、フクロウが大きく羽ばたいており、いささかクリスマスのイメージとは違うものを感じさせるが大胆で斬新、森からのメッセージ、というコンセプトが一目瞭然。
1 3 4メインの空間は、階上部分にあり、たどり着くまでの会談にもさまざまな仕掛けがあって、見逃せない。


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昨年のテーマカラーはグリーンだったから、今年の色を想像しながら階段を上がる。グリーン、ゴールド、ブロンズ、とどの色も同じくらいの主張があり、1色を選ぶには少々厳しい。

登りきると、スクリーンが切り取られた入口になり、入るとそこは別世界。宝探しのような時間の始まり。


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暗幕で囲い光が少ない空間を作っている。バスタブや引き出しに入れられたシクラメン、食卓に飾られる多肉植物、たくさんの動物たちなど、ディテールにこだわった素材をたくさん、そしてまた最小限に使っている。
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宙に浮いているような長いガーランド、ボールだけのツリー、ナチュラル感の強いものと人工的なもののマッチングが絶妙だ。
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3分の1くらい進んだところで、テーマカラーは、カッパーブラウンだということがわかる。

さらにサプライズとなるのは、生花の使い方とその量。2デザインは、トルコキキョウ、ガーベラ、ユリのプロモーションを請け負っており、生産者から提供された花をデザインしている。その量は半端なものではない。
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今回は、ルード・ハゼラーが加わり、2デザインチームはますます進化している。ルード・ハゼラーはかつてのオランダチャンピオンであるウィム・ハゼラーの甥で、フリーランスのフローリスト。とても大変な仕事で、水やりだけでも時間がかかる、とのことだったが、この仕事を完成させることが出来てうれしい、と自慢げだった。

このプロジェクトのスポンサーは52社あり、デザインで使われたものは、オーダーが殺到する。今まで売れなかったものも、2デザインの手にかかると、完売してしまうという。事実カッパーブラウンは、どの会社でも売れ筋となっている。

クリスマスワールドは、5日間と会期が長い。今年は36000人の来場者があった。

既に来年のプロジェクトは決まっており、2デザインが手掛ける新しいショー、FLORADECORAは、フレッシュな素材をフルに生かし、販促に繋がるディスプレイと提案の場所となる。今から期待したい。

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トータルコーディネイトされた食器類

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LEDライトの進化はめざましい

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クリスマスには欠かせないフォレストグリーンを豊富に使い、森の中を表現

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気を削って作ったツリー。山形県の工芸品、オタカポッポにそっくり。

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バンダの生産者から提供された純白のバンダ。

 

2 Dezign トゥーデザイン

info@2dezign.nl

http://www.2dezign.nl/

 

取材・文/朝山和代

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