フローリスト・レビュー 西澤 力さんインタビュー

2014/02/14

スペシャルインタビュー

フランス・パリで行われる、ヨーロッパの代表的なインテリア見本市のひとつ

「メゾン・エ・オブジェ(MAISON & OBJET)」。

最新のスタイルが集まる、家具、生活雑貨、テキスタイルの見本市だ。

毎年1月と9月に行われ、9月展はおもに欧州のクリスマスマーケットに的を絞った展示が多い。

イタリア・ミラノサローネと並んで、世界のデザイン界から注目される屈指の見本市だけに、

開催期間にはさまざまなデザイナー、バイヤー、クリエーター、メディアが集まることでも知られている。

?この「メゾン・エ・オブジェ」2011年9月展、

センターブースに位置するベルギーの器メーカー「D&M depot」において、

日本のフローリスト西澤力さんがデモンストレーションをした。

これは、先に行われた弊誌主催の「フローリスト・レビュー2011の特別賞として

与えられたもので、D&M社のオーダーとして、西澤さんが請け負う形となった。

D&M depot1992年創立以来、フローリストやライフスタイルショップ向けに、

フラワーベースやプランターを作り続けているベルギーのトップブランド。

デザイン、素材などが斬新で、見本市では、常に高い注目を集めている。?

西澤さんが表現したのは日本でもパリでもない「現代アートのような表現」。

D&Mのブースに設置されたスペースで、常時、ライブで作品を制作し続けた。

今回は、その西澤さんに感想などをうかがった。

フランス・パリ

メゾン・エ・オブジェ?2011にて

フローリスト・レビュー2011特別賞の西澤力さん

D&M depotブース?デモンストレーション

※著作権保護のため、写真には月刊フローリストロゴをいれております。ご了承ください。

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基本は全部即興。「日本」でもなく「パリ」でもなく

現代アートのような表現を伝えたかったです。

器は様々な色のバリエーションがあり、ローズピンクなどとてもかわいかった。

赤紫できれいな色のアンスリウムを合わせました。

現場で楽しんで作りました。

アパルトメントのすぐ近くに、日本でいうと八百屋さんのような店があったので、

器の色とか素材に合わせて、野菜や果物を多用しました。

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来場者で声をかけてくれる人は多かったです

反応が伝わりました。

特に、かじったリンゴの表現とかは、よくつっこまれました。

「意味は?」「なんで?」とか。

ポピーシードも日本では出回っていない大きさの種類が豊富。特に好きな花材なので。

これも素敵な花材ウイキョウの根。

   

?期間中、各国の著名なフローリストも来訪して声をかけてくれました。

フローリスト・レビュー2011ファイナルで作った作品をもう一度。

アンスリウムは自分にとって特別な花材。色が、かなり好まれました。

スポンサードをしてくださったD&Mの社長。日本でも手に入る器の数々ですが、その商品の幅の広さ、色合いの美しさなどを考え、「ミックスカラー」でいこうと構想を練りました。打ち合わせの前までは、単色などのコーディネートも考えてはいましたが、会場全体も色分けされている雰囲気もありますし、あえて、ミックスカラーで。

言葉で伝えていた段階では、社長にはやや不安そうな雰囲気も感じられましたが、結果、この色合いを特に評価していただき、喜んでもらえました。

個人的には、パリの花って、ふわっとした空気感があると思います。カチッとした中に、必ず「空気感」が表現されている。

花の価格の違いもあるでしょうが、そういった花の使い方を、期間中、有名な花店や装飾されている空間を巡ることで、感じることができました。

僕みたいな規模の花屋にとって、一週間、店を空けるっていうのは、かなり大きい穴なんです。売上げに対してシビアな時期でもありますし。正直、渡仏は、そういう面で不安ではありましたが、ふり返ってみると、こんなに「実になった」海外経験もほかにないくらい、大切な時間となりました。

この経験のもとになった「フローリスト・レビュー」ですが、僕的には、今あるコンペの枠をちょっと逸脱しているのがいいと思います。

1次審査の結果を見ると、「次点」含めて、その作品にはその人がやりたい個性が出ていて、それが選出されている。

それを評価されるというのが大きかったです。奇抜なラインと、現実的なラインがちょうど良いと感じました。

また、自分の作品を発表できる個展みたいな場のような感じもしました。会場借りて個展するって莫大な費用がかかりますし、すぐには形にはならないかもしれませんが、そういった表現自体がビジネスとして成り立っていくような見え方というか、アートとかデザインって「お金にならない」なんて思われる方も多いと思いますが、それを仕事にしていくという、そういうマーケットがあるのではないかという感覚を得ました。

 

西澤 力 chikara NISHIZAWA

神奈川県横浜市でお花屋さん歴、15年以上。現在は、横浜の花店「BALANCE FLOWER SHOP (バランスフラワーショップ)」主宰。主な活動としては、オランダで10年に一度開催される博覧会フロリアード2002年にてデモストレーション、作品展示。2007年フランスKEITAMARUYAMA 2008SS PARIS COLLECTION studioDRESS装花でアシスタントとして活躍、2008年アーティストの村上隆さんが主催するGEISAI#11に出展など活躍中。??http://balanceflowershop.com/

photo(c)誠文堂新光社

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